私達、みやぎ奨学金問題ネットワークは、昨年9月に「新型コロナの学生生活への影響調査」を実施し、令和3年1月6日時点で、宮城県内の大学に在籍する学生らを中心とする合計111名から回答を頂きました。分析した結果を抜粋して報告いたします。
なお、調査結果を踏まえて、当ネットワークは令和2年12月23日、文部科学省に対して「新型コロナウイルス感染症に伴う影響で生活が困窮している学生等に対して更なる支援を求める要請書」を提出しました。
今後も当ネットワークは当事者の皆様の声を聴き、必要な要請を行っていきますので、よろしくお願いいたします。
記
今回のアンケートからは以下のことが分かりました。
・回答者のうち自宅生と自宅外生がおおむね半数ずつで、70%が仙台市に住んでいました。私たちが宮城県の団体であり、回答を呼び掛けた主な対象が宮城県内の大学の学生であったことから、このような分布になったと思われます。
・令和元年度の親世帯の世帯年収を知っている学生は約60%でした。奨学金や学費の減免の手続の際、世帯収入を聞かれるため、知っている学生が多かったのだと思います。
回答の中で、世帯年収が400万円以下と答えた学生が全体の約4分の1(25%)でした。大学に進学する費用を用意するのが大変な世帯が多いことが想像されます。
そのためか、令和2年2月から8月とを比べて仕送り額が減少した学生が18%いました。もともと厳しい世帯の中で、更に影響を受けて減らさざるを得なかったのではないかと考えられます。
・令和2年度の親世帯の世帯年収の見込みについては「大きく下がる見込み」「下がる見込み」と答えた学生が30.3%にも上っています。新型コロナウイルスによる影響によるものと思われますが、これだけの割合の学生に及ぶことは大変な事態です。
その一方で、高等教育就学支援新制度により、生計維持者に家計急変事由があるときには、学費の減免や給付型奨学金を受けられる場合があることについては、51.9%の学生が知らないと答えました。
周知が十分で無く、必要な学生に情報が届いていなかったことが分かります。
・学生に対して給付が行われた学生支援緊急給付金については、73.6%の学生が申請し、その中で67.7%が支給を受けたと回答しています。
かなり広い範囲の学生が給付を受けられたことになります。ただ、このアンケートでは確認できませんでしたが、大学毎に推薦枠が決められているため、例え支給要件をすべて満たしていたとしても推薦枠との兼ね合いで給付金を受給することができない学生が全国には多数存在してことが予想されます。
・学生生活に不安を感じているという回答が、不安を感じている、やや不安を感じているを合わせると約80%に及びました。かなりの高い割合であり、学生への追加的な支援が求められていると改めて考えさせられます。
以上
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