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  • 執筆者の写真みやぎ奨学金問題ネットワーク

2019年仙台市議選候補者アンケートの結果について

更新日:2019年8月23日


 当団体は、奨学金問題を解決し、経済的理由を問わず進学の機会を保障する社会を作るためには、返済を求めない給付型奨学金の整備が必要であると考えています。そこで公示前の8月5日時点で2019年の仙台市議会議員選挙に立候補が予想された68名の候補者に対して、仙台市に給付型奨学金制度を設けることについて、また奨学金返還支援制度事業の改善について、考えを尋ねるアンケート調査を実施しました。

 本記事では、アンケートの趣旨、アンケートの質問項目、候補者からの回答結果一覧、回答結果の集計と分析の順で紹介したいと思います。



〇アンケートの趣旨

 平成29年、新しい仙台市長に郡和子氏が就任しました。郡市政に移行したのち、仙台市は、市の産業を担う人材確保と若者の定着を目的として「仙台市奨学金返還支援制度事業」を行うとしています。具体的には、人材を確保したい仙台市内の中小企業と仙台市が拠出して「仙台市奨学金返還支援基金」を設け、基金に拠出した認定企業に就職した学生の奨学金返済を3年間支援するというものです。事業者の募集は2019年1月から始まっており、2020年度から実際の支援が始まる予定になっています。この制度自体は、奨学金返済に苦しむ若い社会人を支援するものと考えますが、当団体が求めていた、市の独自の制度としての給付型奨学金制度ではありません。返還支援も重要ですが、仙台市独自の給付型奨学金制度が重要であると考えます。

 また、「仙台市奨学金返還支援制度事業」も制度には、奨学金問題の支援の現場にいる団体から見ると懸念点があり,早急な制度改善が必要であると考えています。

 

 

〇アンケートの質問項目

 仙台市に市の制度としての給付型奨学金制度がないことに問題があると思いますか。

  問題がある      問題はない


 「仙台市奨学金返還支援制度事業」は、奨学金返済支援対象企業として認定を受けた仙台市内の中小企業への就職を条件に、入社後3年間の奨学金返還を支援する事業です。しかしながら、3年という期間は長期であるため、途中、本人の病気や家族の介護などやむを得ない理由で退色せざるを得ないものが出てくることが予想されます。このような場合に、既支給の支給額の返還を求めない運用を行うことにつき、賛成か反対かをお答えください。

賛成     反対

 ※ 設問2については、先日の仙台市との協議の際、返還を求めないとの回答を受けていることから目的は達していると考え、回答の集計はしておりません。


 奨学金返還対象企業の中にいわゆるブラック企業が選ばれてしまった場合、支援対象者はブラック企業であっても3年間はその企業で勤務することを事実上強制されてしまいます。そこでブラック企業排除のため、奨学金返還対象企業認定の際には一定の基準を設けるべき多度言う意見がありますがこの考えに賛成か反対かをお答えください。また、賛成の場合、どのような基準を設けるべきかお答えください。

賛成     反対


 仙台市の制度としての奨学金制度はどのようにあるべきだとお考えですか(複数選択可)。また、その理由をお答えください。

給付型 貸与型(無利子) 貸与型(有利子) 返還支援型 必要ない



〇候補者からの回答結果一覧(2019年8月22日更新)

 各候補者からの回答結果一覧を画像ファイルでまとめています。画像が読み取りづらい場合は (こちらのリンク)からPDFで閲覧可能です。

 選挙区ごとにアンケート結果をまとめています。空白は無回答です。  なお、当団体の不備でアンケートを送付できていなかった候補予定者がいらっしゃいます。その方の回答部分には注記をつけております。回答をいただき次第、あらためて本記事に反映させていただきます。

 また、万が一候補者の方でアンケートが届いていない方がいらっしゃいましたら、まことに恐縮ではございますが、当団体までお問合せいただければ幸いです。その際は、すみやかにアンケートを送付させていただき、回答をいただき次第あらためて本記事に反映させていただきます。












〇アンケート回答結果の集計と分析(2019年8月22日更新)

 回答数・回答率

  青葉区  19人中9人

  太白区  13人中6人

  泉区   12人中6人

  宮城野区 15人中9人

  若林区  9人中4人

  合計   68人中33人(約49%)


 回答内容

  ・設問1について  

             問題がある 27人

              問題がない 2人

              回答無し  1人

           その他   2人

  ・設問3について 

             賛成    25人

           反対    2人

             回答無し  4人

             その他   3人

  ・設問4について(複数回答)

            給付型      24人

            貸与型(無利子) 13人

            貸与型(有利子)  7人

            返還支援型    18人

            必要ない      0人

            その他       5人


3 分析結果及び感想

 ・回答が約半数の立候補予定者から集まったことには、奨学金問題に対する関心の高まりが感じられた。

 ・来年度から奨学金返還支援制度事業の実施が決まっているが,仙台市に給付型奨学金制度がないことに問題があると回答する候補者が多数を占めた。

 ・ブラック企業排除のため,奨学金返還支援対象企業認定の際に一定の基準を設けることに関しては,回答者の多くが賛成の意を示した。少なくとも返還支援を受ける若者が過酷な労働環境におかれることのない様,一定の配慮をすべきだという問題意識は多数の候補者間で共通認識となっていると感じた。

・設問4では,給付型との回答が最も多く,多くの候補者が返還支援型だけではなく給付型奨学金制度創設の必要性を感じていることがわかった。

・選挙後の新たな仙台市議会において、来年度より実施される奨学金返還支援制度事業が若者にとってより良い制度となるよう更なる検討を行うこと,および将来的に仙台市にも給付型の奨学金制度が創設されるよう新しく当選した議員の皆様が働きかけを行っていくことを期待する。





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